駆け込み需要

 今日も独自の視点で語ります。今日のニュースで「エコカー補助金終了前の駆け込み需要により、8月の新車販売が前年同月比46.7%増になった」との報道があった。朝、新聞で「10月からタバコの値上がりが実施されるため、値上がり前の駆け込み需要に対応するためのコンビニの販促について」の記事も読んだ。景気の悪い昨今、駆け込み需要は貴重な売上確保の機会である。

 

 ところで、人々を駆け込み需要に向かわせるものは何であろうか?考えられるのは「今ならお得!」という心理である。例えば、スーパーの店頭で、キットカット(16枚入り)が198円で販売されていれば、通常の値段(348円)を知っている買い物客は「おっ!安い!」と思って購買に至る確率が高まる。ところが毎回198円で販売していれば、「別に今買わなくても良い」ため、購買に至る確率は低くなる可能性がある。すなわち、「今買えば、得である」という、言わば希少価値に人々は引きつけられる。通常の購買は、「必要か」又は「必要でないか」を問いながら購買の決定をするわけであるが、希少価値の「今ならお得!」が付加されると、とにかく「今」買いたい衝動が湧き上がるわけである。

 

 では車の場合はどうであろうか?車を買う場合、初めての購買を除いて、現在車を持っている人が大半であり、想像するに現在の車の車検のタイミングが大きな購買を考えるきっかけになるであろう。「そろそろ車を変えたいな・・・」「あの車かっこいいのでほしいな・・・」とか、「でも身近に大きな出費もいやだなあ・・・」「車を買ったら、年末の海外旅行はボツだな・・・」と考えるわけである。事前に明確に決まっているか、あるいはよほどのお金持ち以外は、そのようなことを悩みながら最終的な決断、「買う」又は「買わない」を決める。そこでエコカー補助金の締め切りが9月末まで、しかも予算がすべて消化すれば終了という事態を知ることになる。人間は余裕があるとき、すなわち決定を先延ばしできる場合は、「今ならお得!」について冷静に考えることができる。スーパーでキットカットを買う場合と異なり、購買金額が大きいため、いくらお得でも、そのための出費にある程度の気持ちが向かうことになる。

 

 ところが、もう時間がない場合、今回で言えば期間があと2ヶ月、しかも明日にでも終わる可能性がある、と追い込まれると、「今ならお得!」から「今買わないと損!」に心理状態が変化するのではないか?人間は、「得すること」の喜びよりも、「損をすること」の後悔、恐怖を避けたい、という感情の方がより強いのではないだろうか?とにかく購買をすることで、「損をすること」を避けたい、だから買うのである。「どうせいつか買うから・・・」、あるいは「車検で整備費用かかるくらいなら新しい車を買った方がいいから・・・」というのは後付けの理由の場合が多いのではないだろうか?

 

 いずれにせよ、駆け込み需要は、「需要の先食い」であり、自動車関連企業も、タバコを売るコンビニも先のことを考えると、ため息かもしれませんね・・・。

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