頭の良い人、悪い人?

 久しぶりの更新となりました。今回は、「頭の良い人」と「頭を使う人」について独自の視点で考えてみたい。世の中には、「頭の良い人」と「頭の悪い人」がいると考えられている。さて、「頭の良い人」ってどんな人?「頭が良い人」は先天的に頭が良いのか?

 「頭が良い人」とは、知識が多い、なんでも知っている、人が気付かないことを指摘したり、アドバイスできる、頭の回転が速い(そのことによって計算が速い、本を読むのが早い、状況把握や仕事の覚えが早い)、的確な判断ができる、分かりやすい話し方ができる、無駄な動きがない、などなど。いずれも先天的なものとは関係がない。「頭が良い人」という場合は、学生時代とビジネスの場におけるそれは趣を異にする。学生時代の「頭が良い人」とは、よく勉強をする、テストの点が良い、暗記力が高い、良い学校に入る、などであるが、これらも先天的なモノではなく、むしろ努力の賜物である場合が多いと考える。もちろん、日本の暗記勉強については、向き不向き、好き嫌いがでるため、勉強をしない人=努力をしない人ではない。加えて、まれに先天的に暗記力が高く、それにより、常人よりも短時間で高い勉強成果を出してしまう人もいる。しかし超少数である。

 

 ビジネスの場における「頭が良い人」はほぼ存在しない。いくら頭が良くても、使わなければ意味がないからである。私は、ビジネスの場においては、「頭が良い悪い」ではなく、「頭を使うか否か」が重要であると考える。「頭は使う人」は、「使わない人」よりも多くのことに気付き、感じ、そして考えて、調べて、視点を変え、想像し、そして自分なりの判断ができる。それらは、天才でなくてもできるものが大半であろう。

 

 頭の使い方には、2通りの軸がある。1つは「考える範囲(広い・狭い)」であり、もう一方は「考えの深さ(浅い・深い)」である。「考える範囲」は広い視点を持って考える能力を示し、「考えの深さ」は特定のイシューについて、つきつめて考えることのできる能力を示す。後者はあきらめない能力又は分かった気にならない能力と言い換えることができる。この2軸で、4パターンに分けてみるとこうなる。

 

①普通の人:考える範囲が狭く、考えが浅い
②知識偏重:考える範囲が広く、考えが浅い
③オタク:考える範囲が狭く、考えが深い
④プロフェッショナル:考える範囲が広く、考えが深い

 

 考えが広ければ広いほど、多くのことを考慮に入れて、バランスの良い考えや判断につながる。考えが深ければ深いほど、表面的なことに惑わされず、物事の本質をとらえた考えや判断につながる。ほとんどの人は①からスタートし、①→②、又は①→③に進む。④に到達できる人は少数である。①で動けずに終わってしまう場合も少なくないと考える。

 

 しかし人間という生き物は、ほぼ全員が「自分が一番賢い」と思って生きている。そして自分の価値観と外れる人は、「あいつは馬鹿だな」となりやすい。なぜなら、評価軸が絶対的に主観だからである。人は客観になれればなれるほど、頭を使うことが可能になる。主観は自分が正しいため、思考が停止しやすい。とにかく、「頭を使う」ことに対しては、自己肯定ではなく、自己否定が必要である。「自分は本当に分かっているのか?」、「それがほんとうに正しいのか?」、「なぜそれが言えるのか?」である。「頭が良い」と思っている「分かった気」になっている人ほど再生は難しい。私自身、勉強の日々である。

頭の使う方向性マトリックス
頭の使う方向性マトリックス

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コメント: 3
  • #1

    Valentine (日曜日, 22 7月 2012 19:19)

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  • #2

    頭の鍵 (月曜日, 28 10月 2013 21:01)

    通りすがりです。
    大変面白い記事です。
    マトリックスにしてるとこが良いですね。

  • #3

    西風 徹 (月曜日, 28 10月 2013 23:13)

    頭の鍵さん、コメントありがとうございます。
    また他の記事もご意見お待ちしております。

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