民主党に見る組織の力学

 相変わらず政治局面は大変である。民主党内の小沢さんをめぐる混乱は、国にとってメリットなしである。外交、経済など、重要問題そっちのけの報道でマスコミも相変わらずの様相を呈している。

 3日ほど前にテレビで、小沢系議員が安堵した中で、松木議員、谷亮子議員を目にしたが、この人たちも自分の仕事そっちのけ、である。松木議員は小沢さんを「親方!」と呼ぶ側近中の側近、谷亮子議員にいたっては小沢さんといるとこしか見たことがない。いずれにせよ、国の代表であり、国のために仕事をする!といった雰囲気はなさそうである。もう1人、名前は忘れたが、その議員は「政権交代を成し遂げた功労者を見せしめにするのは許せない」である。冷静に見て、政権交代は小沢さんの力が少々あったかもしれないが、国民が自民党にあきれただけであり、積極的に民主党や小沢さんを選んだわけではないのが分からないようである。

 

 これらの事象を普通に見ていては意味がない。ここに学べるものがある。まず組織は内へ内へと力が働いてしまうことを物語る。組織に属する人間は、その組織に自分の居場所を確保し、その組織を守ろうとする。しかしながら、組織(これを第1組織と呼ぶ)の中に、また組織ができてしまうと(これを第2組織と呼ぶ)、その第2組織が自分にとっての居場所となり、第2組織を守るために、第1組織にとって問題のある行動を平気で取るのである。大企業に典型的に見られる症状であるが、第1組織の中の、第2組織(派閥ともいう)が複数存在し、反目する場合(通常は反目する、なぜなら反目するから組織ができてしまうのである)、第1組織の利益よりも、第2組織の利益が勝るのである。

 

 もう1つは、小沢さんの反応である。政治家や有名人が、ネガティブな問題で公衆にさらされる場合、通常は何を言っても話は悪い方向へいく。小沢さんは終始一貫して、姿を極力見せない、そしてまったく話をしない。実はこれが自分を守る最善の策であることを彼は知っている。事態が良くなる可能性が極めて低い場合、表向きに何も行動しないことは、事態を良くすることはないが、一方で悪い方向へいくことを最小限にしてくれる。苦し紛れに言い訳したり、逆切れしても、良い結果を得られる可能性は極めて低いのである。少なくとも、認めるわけにはいかないからである。小沢さんのハッピーエンドはフェードアウト&ほとぼりが冷めること、である。

 

 政治については、憤りを感じるとともに、こんな人たちを選んでしまった自分を含めた国民の熟考の無さをなげいてしまう。日本には世界に誇れる経営者がいる一方で、政治家にはさっぱりそういった人が見当たらない。桝添さんも自民党を飛び出して、目立たないと思っていたら、東京都知事へ意欲!である。政治家の人たちは、日本の将来よりも、「自分が目立つ」ことがそれらより大事なのでしょうか?男の権力欲が政治を駄目にしているかもしれません・・・。

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