前回の続きとして、ゆうちょ銀行について考えてみる。前回をまとめると、以下となる。
・資産の8割を国債・地方債が占める
・収益の9割が有価証券利息配当金である
・ゆうちょ銀行は国家保有であり、その最終利益は国に帰属する
下記の①はゆうちょ銀行が保有する有価証券の収益率を示している。89%が国債・地方債であることから、その運用収益率は低く、1.12%である。
②は資金調達した預金に対する支払利息率を表す。こちらはほぼタダに近く、なんと0.17%である。100万円借りて、年間に支払う利息は1700円である。
③は金銭信託の収益率である。ゆうちょ銀行によれば、「中長期的なリスク分散等の観点から、金銭の信託を通じて株式を保有している」とあるが、国債以下の収益率になっている。
まとめると、ゆうちょ銀行とは、国民から預かったお金によって国債を購入し、その国債利子と預金利子の差益によって、すべて費用の賄った上に、利益を計上している。要は、単なる利子の鞘取り会社である。国債が発行され続けることを前提とした事業会社であり、預金利息がほとんど「タダ」だから存在できる。預金利息も国が決めている(誘導している)。
さて、その鞘取りした結果が、誰の利益になるのか?株価に反映されて、株主に利益がもたらされるのか?従業員の給料が上がり、従業員が豊かになることを目指した会社か?取引先への注文が増加して、取引先が喜ぶのか?リスクを取った経営者や投資家に配当がされるのか?
いずれでもあるまい。その利益はすべて国に属する。ゆうちょ銀行は、国民から集めた資金を、何の苦労やリスク、手間もかからない国債に投入している。本来であれば、国債の利息から負担した費用から差し引かれた利益は、預金者に還元されるべきではないのか?
もちろん他の民間銀行も一部、同じことをやっている。しかし決定的に違うのは、民間銀行は金融機能を果たしている、という事実である。預金を集めて、それを企業に融資したり、株式や債券を購入することで、価値の増殖を図っている。ノーリスク(といわれている)国債を機械的に購入しているだけではないのである。
金融とは、資金を融通することである。そのことによって、流通する資金量を増加させ、経済を拡大する。翻って、ゆうちょ銀行は金融機能を果たしているのか?果たしているが、それは国に対する金融機能だけである。国債を買うという行為だけが事業内容になっていることがそれを証明している。
上記の④は国視点で見た国債の実質的な利子の負担率を計算したものである。ゆうちょ銀行が保有する国債・地方債に対する利子から、国に属する法人税、利益剰余金を控除することで、実質的な支払利子が算出される。それを、ゆうちょ銀行が保有する国債・地方債で割ると0.69%という実質利子負担率が計算できる。
補足であるが、ゆうちょ銀行の直近期のレポートで気になる記述があったので記載しておく。
①具体的には、「コンプライアンスの徹底が大前提」との基本的考え方のもと、各種取り組みを実施してまいります。
②マーケティングに基づく「戦略的な広告宣伝・広報活動の実施」に努めてまいります。
③OJTを積極的に推進しつつ、人材教育の強化・拡大に取り組むとともに、全社的なBPRを展開するなどにより、経営体制の強化を図ってまいります。
要は、「適当に書いておきますが、何もしません」と言っているに等しい。私がゆうちょ銀行に預金することは、今まで通りありません。
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Cheap Chanel Handbags (月曜日, 15 10月 2012 10:06)
The worst way to miss someone is to be sitting right beside them knowing you can't have them. No man or woman is worth your tears, and the one who is, won't make you cry. Maybe God wants us to meet a few wrong people before meeting the right one, so that when we finally meet the person, we will know how to be grateful.Just because someone doesn't love you the way you want them to, doesn't mean they don't love you with all they have. dcyh000061015