ここでは、最近の出来事やメガトレンドのきっかけとなる事象などを深く掘り下げていきます。
2013/8/1
半年前にまとめた生産手段のデジタル化を構造化したチャートです。
2月20日の投稿も参照下さい。
http://nishichanbunseki.jimdo.com/2013/02/02/生産手段のデジタル化と工作機械から見えるもの/
ブログでも度々取り上げているメガトレンドの一つです。できちゃった結婚に関する分析資料を公開します。
以前に分析をした機械部品流通業の業態についての資料です。比較的閉鎖的な業界構造を持ちますが、グローバリゼーションというメガトレンドのよる環境の激変により、今後、大きな変化が予想され、ビジネスチャンスは大きいです。
日本の2003年以降の景気拡大局面や機械部品流通業の置かれている現状、日本の将来の生産活動についての分析、洞察をまとめた資料です。会社の講演に使用したため、会社に関連する箇所は削除しています。パワーポイントの配布資料をPDFに置き換えており、グラフが小さく、見づらくなっています。なお、印刷、無断転用禁止です。
すでに大きな社会の変化が事象として現れていますが、今後さらに社会に大きな影響を与えるメガトレンドとして注目しています。少子高齢化にも密接に関係するメガトレンドです。ビジネスの種も満載にあります。チャートを中心に掲載します。
9月25日のブログの関連資料を公開します。問題を感じる分野であり、今後も資料作成をして公開していきます。
以前から分析していたメガトレンド中のメガトレンドである少子高齢化の構造についてまとめた資料です。深いところまで洞察したつもりですが、他に面白い見方があれば教えて下さい。なお、ファイルは印刷禁止にしています。かなり力を入れて作ったためです。印刷等をしたい方は別途問い合わせ下さい。
私は営業であるが、お客さんのところで話をすると「リーマン・ショック以降景気が悪くてね・・・」とか、「リーマン・ショックを契機とする世界経済危機により・・・」とリーマン・ショックのオンパレードである。機械部品会社の値上げの文書や大企業の有価証券報告書、週刊誌など、これほど使われる言葉は「バブル」以来かもしれない。しかし、これほど意味も知らずになんとなく使われている言葉はないだろう。
そもそもリーマン・ショックとは何か?リーマンとはリーマン・ブラザーズのことである。全米4位の証券会社であるリーマン・ブラザーズが2008年9月15日に破綻したことをきっかけに、世界経済危機に陥ったとされており、そのことを称してリーマン・ショックと呼んでいる。どうしてそれが、世界経済危機の引き金となってしまうのか?例えば、日本の証券会社である日興証券や大和証券が破綻しても世界経済危機にはならない。それどころか日本の経済危機にもならないであろう。では、なぜリーマン・ブラザーズという単なる証券会社の破綻が世界経済危機につながったのかを今一度整理して考えたい。
まずリーマン・ブラザーズ破綻直前の経済情勢を確認しなければならない。経済はひとつひとつの出来事が流れを生み出し、そしてその流れが大きな動きを創り出す。リーマン・ブラザーズ破綻直前の経済の状態は以下のような状態であった。
・2006年以降、米国の不動産価格は頭打ちあるいは値下がりが見られるようになった
・2007年6~7月においてサブプライムローンの格付けが大量に下げられた
・そのことより、サブプライムローンの証券化商品が大きく値下がりした
・まずヘッジファンドを中心に大きな損失が発生したが、多くの金融機関、機関投資家が保有するCDOなど複雑な形態を取った証券化商品にどの程度のサブプライムローンが組み込まれ、どの程度の損失があるのかが分からない状態に陥った
・すなわち、どの金融機関がどの程度の損失を抱えているのが見えない状態となった
・市場参加者にとって「分からない」ことが一番の恐怖である
・なぜなら「分かっていることや推測されること」が織り込まれることで市場価格が形成されるが、「分からない」ことは市場価格に織り込ませることができないからである
・「誰がどれだけ損失を抱えているかが分からない」ということはどの金融機関にどの程度のリスクがあるかがまったく分からないことを意味するため、金融機関間の資金融通において相手に対して疑心暗鬼の状態となり、スプレッド(国債と銀行間貸し出しレートとの差)が大きく広がり、資金調達において大きな支障が生じることとなった
・一方でベア・スターンズ危機、モノラインの経営危機、住宅公社の危機などが生じたが、国がそれらを概ね救済した
と大きな動きを示すと上記のような状態にあったと言える。金融市場は疑心暗鬼になっていたが、国がそれらの金融機関を助けるとの最後の安心感が、金融市場を維持していたとも考えられる。だが、それを変えたのがリーマン・ショックである。リーマン・ショックが大きなインパクトとして市場関係者に伝わった大きな理由は二つある。
①国が救済しなかった
②経営危機が表面化して数日で破綻した
上記のことはお金の貸し手から見ると、大丈夫だと思っていた借り手がある日突然、「破産しました!」と言っているに等しい。そんな借り手にお金を貸すわけにはいかない。従って、このショックを引き金にして、金融機能の不全化が発生したのである。具体的には、お金を借りたい金融機関がお金を借りることが出来ず、その金融機関を国は助けないのであるから、「自分の身は自分で守る」、即ち貸し手は「よく分からない相手には貸さないし、よく分からない相手に貸したお金は早く回収しておかなければならない」のである。
加えて、このショック後、米国議会での金融安定化法の否決、AIGの破綻危機・一転救済など、金融市場のパニックは極限状態となり、金融機関間の資金融通が事実上停止してしまったのである。金融機能の停止、即ち信用の大収縮は消費の大ブレーキ、設備投資の凍結、雇用削減などを引き起こし、世界経済をどん底へ追い落としたのである。
整理すると以下である。
①リーマン・ショック前において、サブプライム・ローン問題により、金融市場においては、相手に対する疑心暗鬼の状態が醸成されていた
②リーマン・ショックはリーマン・ブラザーズの数日間での破綻、国の救済がなかったこと、から金融市場における相手に対する疑心暗鬼が、相手に対する恐怖へ変える引き金となった
③その後の出来事も金融市場を恐怖の渦に巻き込み、信用の大収縮により、金融市場の機能停止につながった